天弧の家

敷地は川崎の高台に位置し、東側には都心の高層ビル群を一望することができ、多摩川の花火も見ることができる。「天弧の家」はこの眺望を活かすべく設計されることとなった。その1番眺めの良い2階の東側にデッキを設け、それを取り囲むように居間と食堂を配置するようにした。2階は居間・食堂・台所が一体となった広い空間とし、屋根もそれらを全て包み込むように柔らかい大きなR屋根としている。それは天を覆う弧のイメージでつくっており、天井から軒裏まで連続して空に繋がっている。外壁には経年変化があり、今後さらに美しくなるようにレッドシダーを張り、工業製品では味わえない懐かしさと現代的な美しさを醸し出す表現とした。